05 鶴岡市
セッション情報
- 開催日時
- 2023年12月9日(土)午後2時~午後4時
- 会場
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つるおか食文化市場 FOODEVER
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- 観覧
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イベントは終了しました。
当日の様子はアーカイブ映像をご覧ください。
- その他
- 参加無料
庄農うどんと次世代ガストロノミーコンペティション受賞料理の試食があります!
Event Report 開催レポート
さすがは“食の都”、試食が用意された鶴岡会場。高校生がつくるうどんや、若手料理人が手掛ける和食の一皿などが聴講者にふるまわれました
「YAMAGATA Youth Summit2023」の最終回となる4回目のエリアセッションが12月9日、鶴岡市のつるおか食文化市場FOODEVERで開かれました。鶴岡市は2014年12月、ユネスコの「創造都市ネットワーク」の一つ、食文化部門に、日本で初めて加盟が承認された食の都。1400年以上にわたり信仰を集める山岳修験の聖地・出羽三山に今に伝わる「精進料理」、能などの伝統芸能や祭り、農作業などに由来し、家庭でも数多く継承される「行事食・伝統食」、そして、農家の人々が数百年にわたり「種」を守り継いできた60種類以上の「在来作物」など、鶴岡の風土に息づく精神文化と結びついた独自の食文化が色濃く残っています。
「伝えたい庄内の食~世界が認めた鶴岡の食文化~」と題したセッションには、庄内柿や在来作物を育てる金三郎十八代目の五十嵐大輔さんをアドバイザーに、YouTuberや鶴岡市で働いた経験を持つ外国人、地元で活躍する若手料理人、農業高校の生徒などが参集。「地元の人にとって鶴岡の食とは?」「海外の人は鶴岡の食をどう見ている?」「鶴岡の食を発信するには?」といったテーマに添ってディスカッションしました。
「食」がテーマゆえ、試食が用意されていたのも鶴岡会場の特徴。第3回次世代ガストロノミーコンペティションでグランプリを受賞した和食の一皿と、庄内農業高校の生徒が手掛ける「幻のうどん」が振る舞われました。高校生のうどんを食べた和食料理人が「おいしい!」と感激し、「私がおいしいおだしをとって、このうどんに合うつゆをつくりたい」と話すなど、この一期一会のミーティングから新しいものが生まれる可能性を感じさせたひとときとなりました。
アドバイザーの五十嵐大輔さん。自ら食事会を開き、庄内柿や鶴岡の食材の魅力を伝えています。「情報発信は大事だが“出しっぱなし”の例がよく見られる。検証は必要」
ハンガリー出身のラースロー ジャネットさん。「海外の人から見ると焼き畑は“環境破壊”と受け取られてしまうことも。その理由やストーリーを正しく伝えることが大切」
地元鶴岡の情報も発信する渋谷さんは「食関係者だけではなく、離れたジャンルの人たちとコラボすれば、今まで届いていないターゲットにも情報を届けられる」などとアドバイス
「山形県は四季に忠実な食文化が残るすてきな土地。地方の風景が均一化されつつある中、土地らしさが残る場所に魅力を感じ、行きたいと思う人が増えている」と菅本さん
佐藤渚さんは「食文化は人との心のつながりで生まれる。生産者から渡されたバトンを次の世代に受け継ぐのも料理人の仕事」と語りました
庄内農業高校で「庄農うどん大作戦」に関わる(左から)五十嵐楓さん、五十嵐香奈さん、髙橋空さん。「地元の高校生でも在来作物を知る人は少ない。学ぶ機会があれば」
地元に根差す人の考えや若者の発想、外の視点や発信者のアイデアが声となり、混ざり合うことで、ここから新たな鶴岡の食の可能性が広がりそうなディスカッションとなりました
YouTube Live YouTubeライブ配信
来場またはオンラインにて参加いただいた皆様はアンケートのご協力をお願いいたします。
Regional Forum エリアセッション
~世界が認めた鶴岡の食文化~
登壇者紹介
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アドバイザー金三郎十八代目 百姓 / 庄内柿 在来作物農家
五十嵐 大輔 さん
Daisuke Igarashi1978年生まれ。400年近く続く農家の18代目。10年の接客業を経験。
その後、農場勤務しながら農業大学校で研修。同時に山大農学部で在来作物講座「おしゃべりな畑」の一期生として参加。
庄内柿を中心に営農し今年で12年目。天然の山菜や養鶏、在来作物なども含む少量多品目で営農。
料理人とコラボを行い庄内柿のフルコースを食べる「オラいの柿食う会」開催。30軒以上のレストランなどで累計500人参加。
並行して庄内柿の小冊子を作る。多くのマルシェに出店し、立ち上げも手伝う。
2019年 食材付き情報誌の先駆け「東北食べる通信」で特集され1200部を庄内柿と共に発送。
鶴岡市の朝日地域審議会、まちづくり塾、新文化会館管理運営計画検討委員会(現在の荘銀タクト)に参加。 -
パネリスト元鶴岡市食文化国際事業推進員
ラースロー ジャネット さん
Laszlo Zsanett1992年ハンガリー出身。高校時代に遊佐町にホームステイをしながら酒田の高校に留学し、大学時代は出羽三山神社での二度のインターシップを通して庄内との縁を深める。2015年のミラノ国際博覧会では国際観光推進員として鶴岡のPRに携わる。2017年から2020年まで鶴岡市役所で食文化国際事業推進員として勤務し、海外からの食文化関係者を数多く案内し、鶴岡の食文化の魅力を国内外に発信に貢献。
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パネリスト車いすyoutuber
渋谷 真子 さん
Maco Shibuya山形県の山奥にて茅葺き職人を目指しながら、猟師としても活動していた。2018 年7 月仕事中に茅葺屋根から落下し、脊髄損傷による障がいを負い車いすの生活に。障がいにおいてタブーのように扱われる、性や排せつについてなどを包み隠さず自身のYouTube で発信している。「今後の誰かの役に立つのであれば!」という思いでメディア出演やイベント出演などで活動し車いす生活でも自分らしく生きる姿を届けている。また、自身が幹細胞を用いた再生医療を行っている中で、ノーベル医学・生理学賞受賞した山中伸弥と今後の再生医療についての対談を行ったり、トヨタイムズに出演し豊田章男会長と対談後、現在では車の開発にも携わり、障害関係なく多岐に渡り活動している。
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パネリスト旅するおむすび屋 代表 / 総務省 地域力創造アドバイザー
菅本 香菜 さん
Kana Sugamoto福岡県北九州市出身。熊本大学卒業。『くまもと食べる通信』の副編集長として活動したのち2016年、株式会社CAMPFIREに転職。LOCAL・FOOD担当として全国各地のクラウドファンディングプロジェクトをサポート。本業の傍ら2017年5月に『旅するおむすび屋』立ち上げ、2019年3月に独立。
食べることの楽しさや大切さを伝えるために、おむすびを通じた食育授業や全国の食文化取材などに取り組んでいる。中学高校時代に拒食症を患い死の危険に直面するも大学時代に克服し「食べることは生きること。そして生きる喜び」と実感したことが原体験。2023年に書籍出版とドキュメンタリー映画化が決定。 -
パネリスト山形県立庄内農業高等学校 食料生産科 3年
五十嵐 楓 さん
Fu Ikarashi山形県立庄内農業高等学校 食品科学科 3年五十嵐 香奈 さん
Kana Igarashi山形県立庄内農業高等学校 食品科学科 2年髙橋 空 さん
Sora Takahashi庄内農業高等学校の生徒たちが食品加工を学ぶ授業の一環として製造してきた「庄農うどん」は、食感とのどごしの良さから藤島地域で人気の商品です。学校祭や地域イベントで限定的に販売されることからなかなか手に入らず「幻のうどん」とも言われています。
地域ににぎわいをつくろうと令和元年から産学官連携で店舗での提供事業「庄農うどん大作戦!」をこの秋5回目スタートしました。生徒にとっても、製造からチラシ・POPづくり、接客など、学びの幅が広がりました。 -
パネリスト第3回次世代ガストロノミーコンペティション グランプリ / グランドエル・サン和食調理 主任
佐藤 渚 さん
Nagisa Sato次世代ガストロノミーコンペティションとは、若手料理人の育成、強化、発掘を目的に令和元年度に初めて開催した料理大会で、令和5年度大会は第3回目となります。
第3回大会は令和6年に鶴岡市がユネスコ食文化創造都市に認定されて10周年の節目を迎えるにあたり、認定事由の根底にある「郷土料理」や「在来作物」の可能性の探求をテーマとして、開催されました。
1993年山形生まれ。日大山形高校を卒業後アメリカ、ワシントン大学へ留学。個人事業主向けのコンサルティングを経て、法人向けブランド戦略コンサルティングを展開。現在は中小企業を中心に、唯一無二の価値を発見し言語化するミッション・ビジョンの策定や理念浸透などの社内向け施策から、WEBサイト、広告、新規事業開発、採用などに関連した外向け施策までトータル的なブランド戦略を手掛ける。
1974年12月28日山形県米沢市生まれ、川西町育ち。現在、長井市在住。米沢女子高等学校九里学園在学時(1991年)にアメリカ・カリフォルニア州グレンドラハイスクールに編入留学アメリカ・カリフォルニア州シトラスカレッジに進学。LAの旅行会社勤務・タレント活動を経験ののち、1998年に帰国
ラジオDJ、CMなどのナレーション、ラウンジDJ、司会(英語と日本語の二か国語も可能)、テレビのレポーター(YBC山形放送・TUY・SAYさくらんぼテレビ)雑誌モデル(美STORY)、通訳、やまがた舞子や保育園の英語講師などで活動中。山形県教育委員会「プロフェッショナルに学ぶ」の講師の一人。